3000万円という低資産でのFIRE生活を送るのに適した都道府県を見つけるため、最近は物件サイトを用いた調査を行い始めています。
移住先の有力候補として、現時点では大阪府と大分県の2つを想定しており、これまでの記事では大阪府を含む近畿地方7府県と大分県を含む九州地方7県の調査結果をまとめました。


僕自身の移住先の有力候補に関する調査は完了しましたが、調べてみると意外な発見が結構あって面白かったのと、可能性は低いものの他の都道府県に住むという選択も捨てている訳ではないので、このまま継続して他の地域の調査も行っていきたいと思います。
今回の調査対象は関東地方の1都6県です。
関東地方はやはり家賃が高い印象があり、僕が目指しているような「低資産で質素に緩く生きるタイプのFIRE」をする人間にとっては適さないイメージがありますが、起業する人や個人事業にガッツリ取り組んでいきたいという人にとっては、東京に住むこと、あるいは東京へのアクセスが良いことは外せない条件になる場合も多いでしょう。
僕自身も、東京という街自体は歩いているだけでも楽しいと感じることが多くて好きですし、条件さえよければ住みたいと思う要素は沢山あります。
今回の調査では、実際に関東地方の家賃相場は他の地方と比較してどの程度の差異があるのかを知る機会になればと思います。
【関東地方編】低資産FIREに適した都道府県
物件探しのルール
今回の調査では、以下のルールを元に物件を探していきます。
(前回記事と同じ内容です。)
使用する物件サイトは「at home」
物件サイトはいくつかありますが、今回は有名なサイトの使い勝手を比較したうえで最も絞り込み機能などが充実していると感じた「at home」というサイトを使用します。
他のサイトにしか表示されない物件等もあるかとは思いますが、今回の調査では物件の絶対数というよりは都道府県ごとの比較を目的としていることから、それほど問題はないと考えています。
また、調査日は2026年10月18日です。
住居費合計の上限は管理費込みで3万5000円
僕がFIREするうえで目標としている3000万円から生活費内訳を考えた時、住居費に充てられる金額の上限は3万5000円なので、管理費込みでこの金額に収まる物件のみを対象とします。
上限としては3万5000円ですが、もちろん満足のいく物件であるならば安ければ安いほど良いので、今回は以下の3条件における物件数をそれぞれ調査します。
① 3万円~3万5000円
② 2万5000円~3万円
③ ~2万5000円
上記金額は都市ガス物件を基準とし、プロパンガス物件を選ぶ場合は家賃を5000円安くする
生活費を見積もるうえで意外と見過ごせないのが、その物件で使用できるガスが「都市ガス」か「プロパンガス」かという点です。
一か月にかかるガス代は、世帯の人数やどのような生活を送るかによって大きく異なりますが、平均ガス代(東京)を調べてみたところ、それぞれのガスで以下のようになっています。
・都市ガス物件:1546円/月
・プロパンガス物件:4979円/月
このように、どちらのガスを使用できるかによって無視できないほどの差異が生じます。
僕の場合はほぼ全ての食事を自炊することや、生活の質の向上の観点からお風呂では湯船に浸かることが外せない条件であると考えていることから、特にガス代は気になる部分です。
以前物件探しをして上限を3万5000円と設定した際には、主に大阪市における物件を調査しました。
大阪市のような中心部では家賃相場が高い代わりに、都市ガスを使用できる物件が多いです。
家賃3万5000円かつプロパンガスの場合だと、家計を圧迫する可能性が否めないことから、今回は1つ前の項目における家賃は都市ガス物件を基準としたものと捉え、プロパンガス物件を選択する場合は家賃を5000円安くする必要がある、という条件とします。
要するに、プロパンガス物件としての家賃上限は3万円という形です。
風呂・トイレ別
ここはどうしても譲れない条件、というレベルではありませんが、先ほど述べた通りお風呂で湯船に浸かることを重要視している僕としては、湯船の近くに便器がある状況は少なからず気分に影響を与えます。
明確に生活の質に影響を与える部分であることは否めないので、今回は風呂・トイレ別の条件で物件を探します。
築40年以内
こちらも譲れない条件ではありませんが、件数を減らすことを目的として築40年以内とします。
というのも、調査していて思ったのが、築年数が極端に高い物件を含めるとかなりの数の物件が検索にヒットするというのと、実際に築年数が極端に高い物件の写真を見てみるとあまり住みたいとは思わない状態であることが多いと感じたためです。
物件が見つからなければ築年数が高い物件でも許容可能ですがそうでもなさそうな中、わざわざ古い物件を選ぶ理由もないので、今回はこの条件を使って絞り込みます。
立地や周辺施設は考慮しない
実際に住居を選ぶうえでは、住居周辺の雰囲気や、駅やスーパーなどよく使う施設に近いか、などといった観点も重要となってきますが、今回はこれらを含めると条件が煩雑になりすぎてしまうことから、考慮しないこととします。
僕の感覚としては、FIRE後は様々なことにお金を掛けない代わりに、時間や労力をかけることは許容すべきだと思っていますし、そのことにあまり抵抗を感じないため、例えば最寄り駅から徒歩1時間以上などの立地であっても、それほどのストレスは感じないと思っています。(そもそも現在の独身寮でも最寄り駅から40分くらいかかる場所にあります)
【調査結果】各都道府県の物件数
上記の条件を満たす物件数を、それぞれの価格帯ごとにグラフにすると以下の通りです。

それぞれの値を表形式でもまとめて、詳しく見ていきます。
①3~3.5万円(都市ガス) or 2.5~3万円(プロパンガス)
| 東京都 | 神奈川県 | 埼玉県 | 千葉県 | 茨木県 | 栃木県 | 群馬県 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 3~3.5万円 (都市ガス) | 25 | 9 | 9 | 49 | 6 | 39 | 30 |
| 2.5~3万円 (プロパンガス) | 18 | 44 | 29 | 32 | 105 | 129 | 266 |
| 合計 | 43 | 53 | 38 | 81 | 111 | 168 | 296 |
早速、他の地方よりも家賃相場が高いという現実を明確に示すような結果となっていますね。
これまでの調査においてこの価格帯では、近畿地方では大阪も含めてどの県も100件以上の物件がヒットし、九州地方の福岡に至っては1000件以上の物件がヒットしていましたが、東京・神奈川・埼玉・千葉では既に100件を下回っています。
東京は言わずもがなといった感じですが、やはり東京以外でも、東京へのアクセスが良く都会のイメージが強い県では明確に家賃相場が高いという傾向があるようです。
100件を下回ってくると満足のいく物件を見つけ出せるか少し不安になってくるラインではありますが、実際にいくつか物件を見てみるとやはり部屋の質も他の地域の同価格帯のものよりは低そうな印象を受けました。
まず、物件探しのルールに記載した通り、今回は「風呂・トイレ別」のフィルターを掛けて検索しているはずなのですが、個別に物件の写真や間取りを見てみると、どう見ても3点ユニットバスにしか見えない物件がそこそこの数ヒットしています。
シンプルに物件を登録している人の設定ミスだとは思うのですが、そういった点も加味すると実際に選択する物件の候補としては数字以上に少ないことも予想され、この中から良い物件を探し当てる難易度はやはり高そうです。
ということで、早くもFIRE後の住居としてそこそこの物件数から選びたいという人にとって、関東地方では群馬県と栃木県、ギリギリ茨城県と千葉県が入るかな?といった感じがしますね。
②2.5~3万円(都市ガス) or 2~2.5万円(プロパンガス)
| 東京都 | 神奈川県 | 埼玉県 | 千葉県 | 茨木県 | 栃木県 | 群馬県 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2.5~3万円 (都市ガス) | 5 | 4 | 5 | 8 | 4 | 4 | 15 |
| 2~2.5万円 (プロパンガス) | 0 | 7 | 11 | 2 | 11 | 57 | 62 |
| 合計 | 5 | 11 | 16 | 10 | 15 | 61 | 77 |
続いて、生活費を少し押さえて資産枯渇のリスクを軽減したいという人向けに、先ほどの価格帯から5000円下げてみるとこのような結果になります。
東京都は1桁、神奈川・埼玉・千葉・茨城は10件台ということで、やはり候補になってくるのは群馬と栃木が現実的な気がします。
ちなみに前回までの調査結果では、この価格帯でも大阪・兵庫は100件以上、福岡は500件以上がヒットしているので、その差は歴然です。
FIRE後の居住地として関東地方を選ぶならば、単に「都会の近くに住みたい」というだけでなく「東京の近くに住みたい」という明確な意思が必要になるのではないかと思います。
関東の中では比較的家賃相場が低そうに見える群馬県に関して、この価格帯でも都市ガス物件が15件あるようですが、その大半は桐生市という所のようです。
関東では最も田舎なイメージがあり、インターネットにおいてもグンマーなどといじられがちな群馬県ですが、その群馬県の中でも桐生市は田舎の部類に入るようです。
東京駅までのアクセスで言うと、群馬県高崎市までJRで約1時間、高崎市から東京駅まで新幹線で約1時間で合計2時間程度はかかるみたいなので、もはや大阪~東京間より少しだけ早いくらいですね…。
しかし東京へのアクセスの良さが魅力の高崎市はこの価格帯では既にあまりヒットしていないようなので、あちらを立てればこちらが立たずといった印象。
一方で、都市ガス物件こそ少ないですが2~2.5万円のプロパンガス物件はそこそこヒットしている栃木県については、県庁所在地である宇都宮市の物件がまだヒットしているようです。
宇都宮から東京駅までは新幹線で約1時間ということで、東京へのアクセスを重視するならこちらの方が選択肢にあがりそうですね。
③~2.5万円(都市ガス) or ~2万円(プロパンガス)
| 東京都 | 神奈川県 | 埼玉県 | 千葉県 | 茨木県 | 栃木県 | 群馬県 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ~2.5万円 (都市ガス) | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 8 |
| ~2万円 (プロパンガス) | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 | 27 |
| 合計 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 6 | 35 |
最後に、可能な限り家賃を安く抑えたいといった人向けにさらに5000円下げた結果がこちら。
かろうじて生き残っているのは群馬県のみといった感じですが、まあこの点は近畿地方でも似たような結果だったので仕方がないと思います。
やはりこのレベルまで家賃を抑えたいと考える場合は、条件をすべて受け入れる覚悟でこの数少ない物件から選ぶか、九州地方のような家賃相場が低い地域を最初から選ぶ必要があるということになりそうですね。
とはいえ、群馬県と言えば移住希望地ランキングで2024年・2025年の2年連続1位になっているだけあり、関東地方の中では移住先としての有力候補となるということも頷ける結果ではありました。
物件情報の観点以外にも、移住に伴う補助金などが充実しているかといった観点も重要になってくる人もいるとは思うので、そういった点も詳しく調べてみると面白いかもしれません。
ちなみに余談ですが、神奈川県でヒットしている謎の都市ガス物件に関して詳細を見てみたところ、鎌倉市にある築15年の2DKで、家賃は管理費込みで9000円という物件でした。
呪われているか誤植かの2択だと思いますが、自己責任でこういう物件を選んでみるのもありかもしれませんね。
まとめ
今回は、一般的には家賃を抑えて質素なFIREをするうえでは候補になりにくそうな関東地方について、物件サイトを用いて調査を行いました。
結果はほぼほぼ予想通りといった感じで、九州地方との差が歴然であることは言わずもがな、日本では東京県に次ぐ都会である大阪圏と比較しても家賃相場が明確に高いということが分かりました。
単に「都会の近くに住みたい」ではなく「”東京”の近くに住みたい」という明確な意思がある人以外には低資産FIREには適さない地方であると言えそうですが、中から選ぶのであれば群馬県や栃木県が比較的家賃相場が低く、有力候補になってきそうです。
これまで近畿地方・九州地方・関東地方に関して調査をしてきましたが、次回は中部地方に関して調査を行う予定なので、興味のある方は楽しみにしていてください。
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